木曽川源流部 ハト峰(1970.8m) 2012年4月1日  カウント:

所要時間 6:20 ゲート−−6:45 大船沢沿いの林道分岐−−7:26 林道終点−−7:56 1478m標高点−−8:33 1628m肩−−9:29 1950m峰−−9:42 ハト峰 9:51−−9:59 1820m肩−−10:48 尾根末端−−11:04 天狗沢沿いの林道−−11:23 ゲート

場所長野県松本市/東筑摩郡朝日村
年月日2012年4月1日 残雪期日帰り
天候雪時々薄日
山行種類残雪期籔山
交通手段マイカー
駐車場駐車場無しで林道ゲート付近路側に駐車する
登山道の有無たぶん無し(ネット検索で見つけた他の記録による)
籔の有無残雪が少ない個所でで少しだけ籔あり。無雪期は激笹藪らしい
危険個所の有無無し
山頂の展望南方面にありそうだが雪に煙って見えず
GPSトラックログ
(GPX形式)
無し
コメント朝日プライムスキー場下部の林道ゲートより往復。夏道が存在するのか不明なため、往路はハト峰北方1950m峰から東に派生する尾根を登り、復路はハト峰から南東に延びる尾根を下った。林道は所々で雪が残って凍結し、斜面は標高1200m付近から雪が続く。新雪は数〜10cm程度で、山頂付近は新雪の下に50cm〜1m程度の残雪あり。往路の尾根は潅木藪は少なく歩きやすい。無雪期の笹藪の程度は不明。復路の尾根は潅木が煩い区間あり、笹も蔓延っていそう。山頂は唐松植林だが東側に開け展望はありそうだが雪で煙って見えず。山頂標識は見当たらなかった1]




施錠されたゲート スキー場。もう営業終了
2つ目のゲート 大船沢沿いの林道分岐(左)
天狗沢を直進するとこんな標識 林道は左に曲がる
斜面を巻きつつ上る。既に地形図に記載がない林道 熊棚
林道終点 林道終点より尾根を登る。付近は止め山
標高1420m付近 1480m峰
僅かに下る 自然林に変わる

熊棚多数あり 標高1550m付近でスノーシュー装着
1628m標高点 自分の足跡
1640m付近。唐松植林が始まる 1700m付近
1750m付近 1800m付近
1850m付近 新雪が増えてきたが軽い
1950m峰で稜線に乗る 登ってきた方向を振り返る
南に延びる稜線 ハト峰山頂直下
ハト峰山頂。標識無し 帰りは東尾根を下る
唐松植林が続く 新雪が深い
傾斜が緩む 1820m肩
1770m付近 1700m付近。灌木藪がウザい
カモシカの足跡 1640m付近。まだ籔がうるさい
1600m付近。灌木が消えるが笹がある 1450m付近
1430m付近 1400m付近
1310m付近 1230m付近
林道に出た 下ってきた尾根末端
200万円は法的に有効だろうか?? モノレール
ゲート到着 たぶんハト峰登山者は今はいないだろう


 ハト峰は標高2000mを僅かに超える高峰だが、鉢盛山が未踏の関係で登っていない。地形図では夏道が書かれているか実際に存在しているか不明であり、雪がある時期に登ってみることにした。軽いネット検索では昔はまともな道があったらしいが、2008年の記録では標識があっても道はほぼ無かったという。ルートはハト峰から南東に落ちる尾根が最短だし山頂直下を除いて傾斜も適度でいいだろう。林道はたぶんスキー場付近でゲートがあると思うが、尾根取り付きまではさほど距離はないので歩いても問題なし。

 朝日プライムスキー場は既に今シーズンの営業を休止しており駐車場もガラガラ。スキー場下部の林道を抜けて船ヶ沢沿いの林道を上がると予想通りゲート登場。ハト峰登山者は役場で入山許可をもらうように看板が設置してあったが、今は山菜シーズンでも茸シーズンでもないので問題なかろうとゲートをすり抜けて林道歩き。この時点では車道周辺には雪は見られない。本日の冬装備はスノーシュー、6本歯アイゼン、ピッケルだ。

 林道がスキー場から離れて北斜面に入ると路面に雪が現れ、車の轍の部分はカチカチに凍結。それを避けて歩く。天気はいいが細かい雪が舞っていて稜線は吹雪だろう。時間と共に冬型が緩んで天候は回復傾向だと思うが、私が稜線に到着する頃に回復しているといいが。回復しないで吹雪いた場合も考え、今回のコースとしている。コースのほとんどが主稜線より南〜東斜面なので、稜線に出るまでは北西の季節を直接受けることがない。

 しばし登ると林道分岐が登場、直進は舗装道、左に分岐するのは細いダート。場所的にはここが大船沢沿いの林道起点に見えるのだが、直進の舗装林道には「林道大舟線」の看板が出ている。これを見れば誰でも直進する林道が大船沢沿いの林道と思えるだろう。当然、直進を選ぶ。

 しかしその後はいくら歩いても左に分岐する林道が登場しない。地形図では天狗沢沿いは車道ではなく破線になっているが今は林道ができたらしい。大船沢まで戻ってもいいが、せっかく稼いだ標高がもったいないのでこのまま林道を進み、適当な場所で天狗沢右岸尾根に取り付くことに切り替えた。この尾根はかなり大きく、危険箇所は無いように思えるし、ハト峰山頂からさほど遠くない位置で稜線に出ることができる。少し遠回りにはなるが問題なし。

 林道は天狗沢が2分岐する箇所で舗装が終わって左に曲がって沢を離れ、尾根を巻きながら緩やかに高度を上げていく。どこまで行くのかと思ったが標高1200m付近でぷっつりと終点。尾根は茸止め山の看板があり、シーズン中に無断入山した場合は罰金200万円との看板があった。この200万円という金額が法的に問題ないのかは分からないが(被害額にもよるだろうが)、無用なトラブルを避けるために秋の登山は止めた方がいいであろう。

 尾根に取り付く前にGPSで山頂の方向を確認。真西よりやや南、距離は2.4kmほど。尾根は北西を向いていた。この時点では現在位置を完全には掴んでおらず、たぶん天狗沢右岸尾根だろうとは思っていたが、それが判別できるような地形(ピークや肩や平坦地)が出てこないと現在位置が確定できない。なお、私が使っているGPSは地図表示機能が無い10年以上前の機種である。

 尾根に取り付くと赤松樹林で茸取り用の薄い作業道があり、雪はあるが藪は無く歩きやすかった。全く藪がないわけではなく細い潅木が混じるが、赤松樹林は木が密生していないので藪を迂回するのは簡単だった。尾根から離れすぎない程度に迂回を繰り返して進む。標高が上がると一時的に落葉広葉樹林に変貌するがすぐに唐松植林に変わる。細い潅木が消えて今までより歩きやすくなるが積雪が増えてくる。新雪は数cm程度で軽くラッセルにはならないが、その下の古い雪が踏み抜くようになると苦労しそうだ。今はまだ大丈夫。

 標高1450mを越えると尾根が緩やかになり、1478m標高点付近は平坦地になる。これで現在位置が確定できた。樹林を通して見える主稜線はガスがかかり吹雪模様だ。この辺は直接風が当たるわけではないが、稜線から吹き降ろす風で木に積もった新雪が飛ばされて落ちてくるのが鬱陶しい。

 標高1540m付近で尾根の傾斜が再び緩むが、この付近で踏み抜き多発するようになり、久しぶりにスノーシューを装着。全く踏み抜かなくなって快適。ただし両足合計で2kg強の錘が付けられたわけで、足が軽いわけではない。踏み抜きよりマシなだけだ。

 この肩を過ぎるとミズナラ、コナラ落葉広葉樹林となり、熊棚が多数見られるようになった。この山深さでは当然か。1628m峰平坦地尾付近は白樺が混じる。その先で傾斜が出てくると唐松樹林となり、以降、山頂まで唐松樹林が続くようになる。雪の上に顔を出した笹も見られるようになり、たぶん無雪期は酷い笹藪であろう。

 1760m肩で一時的に傾斜が緩むが再び登りがきつくなる。稜線が近づいたせいか、徐々に風が強くなってきて長袖シャツでも寒さを感じるようになり、ゴアの上着を着た。手袋をしていても指が痛くなってきた。天候の回復は予想より遅く、このままだと稜線で吹雪に突っ込みそうだが、せっかくここまで来てもう戻れない。

 唐松植林を黙々と登り続ける。新雪は10cm程度まで増えたが軽いパウダーでラッセルにはならないし、新雪の下の古い雪はスノーシューでは全く踏み抜かない程度の硬さがあり、無駄な労力を使わずに済んだ。唐松の間隔も適度で、枝に触れて頭から雪をかぶることもなかった。

 やっと傾斜が緩んで待望の稜線に到着。ここは1950m峰でこの南方にハト峰山頂がある。稜線もずっと唐松植林帯が続き、自然林は見られない。積雪量は不明だが、少ない所で数10cm程度、雪庇は2m程度だろうか。雪の下なのか笹は全く見えない。稜線は風が強いが行動に支障が出るほどではなく、地吹雪模様の中を進む。視界はさほど悪くはなく、雪が降ってはいるが時々薄日が差すこともあり、この付近は雪雲の末端に位置しているようだ。

 最後の登りを終えると開けた空間のピークに到着。ここがハト峰山頂だ。正確な積雪量は不明だが山頂標識は皆無。2mも雪があるとは思えず、山頂標識は存在していないのではなかろうか。夏道の有無も不明だ。東側は樹林が開けて展望があるが、今は雪で煙って良く見えない。

 気温は不明だが氷点下は間違いないだろう。強風で風を避けられる場所も無く、寒すぎて休憩なしで下山開始した。安全を考えると往路を戻るのがいいが、やや遠回りなので最短距離となるハト峰南東尾根を下ろう。夏道が生きているのか分からず小船沢を渡れるかやや心配であるが、上流部なので場所を選べば大丈夫だろう。

 尾根の出だしは急でスノーシューを脱ぐべきだが面倒なので横向きになって下るが、硬い古い雪の上に新雪が乗っているためズルズルと滑り落ちてピッケルでブレーキをかけた。少し下れば傾斜が緩んでまっすぐ前を見て下れるようになった。新雪が深いが下りなので問題なし。この尾根は最初から最後までずっと唐松植林が続き展望は良くないが、尾根の先を見通す程度の視界はあるので助かる。でも念のために首に方位磁石をぶら下げて頻繁に進行方向の確認を行う。

 1820m肩で平坦地が現れてルートが間違っていないことを初めて確認できた。この後も変化に乏しい尾根なのでここくらいしか現在位置を容易に特定できる場所は無い。尾根は左に曲がるがこれは目視で容易に判明、外すことはない。標高1700〜1600mくらいで尾根上の灌木がうるさく、少し北側を巻いた。カモシカ、それに小動物の足跡があちこちにあった。標高1600m以下で笹が目立つようになるが、この辺はまだ立っていないので助かる。標高が落ちるに従って雪も減るが笹も減って籔漕ぎは無かった。しかしこの尾根上部は積雪で笹があるか確認できなかったので、無雪期は激籔かもしれない。

 標高1380mで尾根がはっきりしなくなり、地形図に従って左に進路を変えたが斜面が急なので一つ南の尾根に乗り換えた。標高1300m付近で踏み抜くほどの積雪量は無くなったのでスノーシューを脱ぐ。尾根末端付近は立った笹が目立つようになるが、南に下って林道に出た(地形図では破線)。問題の小船沢は思ったより小さく、下ってきた尾根末端は目立たないので登りで使う場合は取り付きが分かりにくい。沢は橋で渡ってしまったので渡渉は不要だった。

 あとは林道を下りゲートに戻った。



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